モノトーンミュージアム/幸せを贖う罪禍

さてさて、今日はせんださんGMのモノトーンミュージアム「幸せを贖う罪禍」に参加しました。今日はね、ちょっと趣向を変えて、後日譚だけをお届けしてみようと思います。
 
拝啓、エドワード様。
聖都の生活はいかがですか?お父君の元を離れ側仕えもない学舎での生活、お坊ちゃま育ちのあなたにはご苦労も多いことでしょう。ほんのすこしだけ心配しています。
ドットーレのお屋敷で最後にお話をしたときのこと、今になって少し後悔しています。莫迦で粗暴で乱暴者だったあなたが、自分勝手な浅はかな企みに手を染め、あの大事件を引き起こした。そのあなたが、目の前のわたくしを素通りして、自ら独りでお父君とお話をなさってご自分の行き先をお決めになったとうかがって、わたくしは嫉妬をしたのだと今では思います。
あなたのお気持ちを知り、ぼうじさんのお話を聞き、今ではわたくしにも理解できることが増えたように思います。わたくしもあなたと同じように、家に縛られ、望まぬ未来を強いられながら、それに正面から抗うことなく世を拗ねていたのだ、と。
あのあとわたくしも家を出ました。今はトニーさんとトムさん、トウェインさんと一緒に、塩の国を目指して諸国を巡り旅しています。紡ぎ手としてはまだまだ半人前以下のわたくしですが、3Tのみなさまのお引き立てもあり、なんとか日々を過ごしています。
エドワード様とも、いつかどこかでお目にかかることがあるでしょうか。そのときには互いの旅の話などお話できれば嬉しく存じます。
それではお体に気をつけて。無用の揉め事など起こしませぬように。いつの日か再会を期待して。
あなたの元婚約者。ソフィー・ウィンザー
 
追伸
トムさんはあの事件以来頭を丸めて、最近は少しふくよかになったので、もうあなたと見間違えるようなことはありません。どこかの乱暴者とは大違いの、相変わらず、優しく温和で人畜無害な素敵な男性です。あなたもせいぜい精進なさいませ。