ダブルクロス3rd/Violent Emotion ver.Sd

7月に3回連載で、すださんGMダブルクロス the 3rd「Violent Emotion ver.Sd」に参加しました。
以下ネタバレ回避のためにスポイラーをはさみます。重大なネタバレはないはずだけど、一応注意してくださいね。

さてさて、オンラインセッション3回連載でプレイした今作、先に書いたとおりHuman Relation掲載の公式シナリオのすださん改変バージョンということでしたが、すださんのお許しもいただいたので終了後に原典を読んでみました。

あーうん、確かにお話の骨子はViolent Emotionだね。うん。でも、なんといったらいいのか……そう、マーズとゴッドマーズぐらい違うとか、デビルマンのマンガとアニメぐらい違うとか、そんな感じ?
 
東京近郊N市のUGN支部。ここは覚醒したてのオーヴァードや新米チルドレンの教育訓練を主任務とする、寺子屋のような支部だった。そんなN市へのFHの攻撃が最近激化している。どうやらFHエージェント”ディアボロス”春日恭二が関わっているらしい。支部長以下エージェント、チルドレンたちはその対応に追われていた。一方、同市で暮らすイリーガル八神光司は親友である笹川翔太、原田美奈子とともにいつもと変わらぬ日常を過ごしていた。
うん。確かに公式シナリオとそんなに変わらないよね。これがすださんの手にかかるとあら不思議。不条理としんどみに満ちたハードなダブルクロス世界が立ち上げってきて、PCたちは厳しい現実を突きつけられ、人生の選択を迫られることになるのですよ。その先に一筋の希望の光は見えるのか。見えるのか?
 
PC1、八神光司(17才、高校生。せんださん)
盲目のエンジェル・ハイロウ/モルフェウス。見えないけど名前は「光司」。
幼いころに覚醒し、光を操る力を得たその代償で視力を失ったUGNイリーガル。両親(多分、特に母親)の反対もありUGNの活動にはあまり深入りしていません。視力を失い、オーヴァード故に行動も制限される、彼はオーヴァードの力を不自由の象徴として認識しています。そんな彼の希望は普通の人間に戻ること。
親友の笹川翔太、原田美奈子といつも3人で行動する彼は翔太を思い、美奈子を想い、やがて訪れた破局に戸惑いつつも敢然と立ち向かいます。そんな彼が最後に出した結論は。親友とともに生き続け、非日常に足を踏み入れる決断を見せた彼についたコードネームはscratch(ハンディキャップなしで戦う試合)。
 
PC2、アルベルタ・島村・ギルモア(17才、高校生。よっぴー)
こちらはブラックドッグのチルドレンです。とある事故で一度は命を落としたアルベルタは右腕と引き換えにオーヴァードとして覚醒します。そして与えられたのは銀色に輝く機械の腕。支部の中では一応優秀な戦闘職ですが、その内面はまだまだ子供。人の視線に傷つき、嘲笑を厭い、日常が壊れることを恐れます。だれもが一瞬身構える機械の腕を、躊躇うことなく握ってくれた笹川翔太の日常を守ることができないと知ったとき、彼女は逡巡し、立ち止まりかけます。見当外れな責任感と手前勝手な優しさで戦場に身をおいたアルベルタはいい具合に打ちのめされますが、「靭くなりたい、そして守るべき日常に身を置きたい」と願う彼女の前には、道を示す魔法使いが現れるのでした。
 
PC3、仏原徳久(29才、僧侶。あやめさん)
N市支部支部長。ハヌマーン/キュマイラ。柔和な笑みを浮かべる沙門(C.N.)は優しくときに厳しいチルドレンたちのお父さん。
光司を見守り、アルベルタを気遣い、年少の子供たちを優しく導く。そして事件の真相を知るや春日に対して羅刹の顔を見せる。まさに智慧と慈悲の人物。光司やアルベルタの決断の先にはきっと曲がりくねった茨の道が待っているのですが、それを否定せず、後ろからそっと支える役回りを引き受けてくれた名支部長でした。教育訓練支部にもってこいの人材ですね。
 
ビギドルでエモとしんどみを積み込むすださんの才能をダブクロに向けると、なるほどこういうお話ができあがるのか、とある意味戦慄を禁じえない、濃密なプレイ体験でした。オンセで3分割になって、考える時間が増えたのも、クソデカエモーションが暴走する原因だと思いましたけど、その分、言いたいことややりたいことをじっくり考えられたと思うので、こういうやり方もまたいいですね。
すださん、みなさん、今日もありがとうございました。