モノトーンミュージアム/歓喜の国

そして日曜日はLainさんGMのモノトーンミュージアム歓喜の国」です。
国民がみな歓喜に包まれて暮らす。そんな御標のもとに繁栄する歓喜の国。戦乱を逃れ流れ着いた少年と少女はひっそりと、たくましく暮らしていた。そんな国を訪れる黒ずくめの男と彼を追う裁縫師。そして新たな御標が街を覆う、絶望の御標が。
PC1、テオドア(16才男性:イサコさん)
南部の戦乱地域から、幼馴染のスカーレット(18才)とともに逃れてきた彼は、この街で取り返し屋として生計を立てています。スカーレットは惚れっぽくて振られやすい、いつも誰かに恋をして、恋に敗れてはテオドアに慰められる、そんな女の子です。ですが今回のスカーレットはちょっと変です。もう2週間も塒に帰ってきません。流石に心配になってテオドアはスカーレットを探すことにします。
PC2、嵩里(こうり・11才男性:よっぴー)
北部のど田舎、耐国。突如下った悪しき御標により国は乱れ、平和だった耐国には妖魔が跋扈し、作物は枯れ果てます。両親とともに国を逃れた幼い嵩里は途中立ち寄ったある国で両親とはぐれます。(設定被った)
「嵩里、父ちゃんと母ちゃんはちょっと買い物をしてくるから、お前はここで待っておいで。決してここを離れてはいけないよ」
「うん、わかった。おれ、ここで待ってるよ。早く帰ってきてね」
はぐれた両親を探して放浪の果て、歓喜の国にたどり着いた嵩里は、実業家のクインスさんに拾われ、丁稚として奉公することになりました。
しかしある朝突然お屋敷の男女の言葉が通じなくなってしまいます。オロオロと取り乱すばかりの旦那様に代わり、嵩里は助けを求めに出かけるのでした。
PC3、ヘンリー・ヨハンソン(20代後半男性・せんださん)
アビスと呼ばれる謎の伽藍。彼が立ち寄った国には必ず伽藍が大量発生し、やがて国は滅ぶという。しかしアビスと事件の関係は不明なまま。そんな滅んだ国の一つから辛くも逃げ延びたヘンリーは、裁縫師となりアビスを追う復讐のたびに出る。そしてたどり着いた歓喜の国で彼はアビスの足跡を見出す。復讐のためには手段を選ばず、あらゆるものを利用するクールな復讐者です。
PC4、ボン・ルート(年齢不詳・男性?:すださん)
歓喜の国でバーを営む其達。ワインの精霊。人を愛し、人との関わりに歓びを見出す彼は、酒を通じて人々と交わります。楽しいときも悲しいときも富めるときも貧しきときも。ですが彼にはある記憶があります。夢に出てくる「あいつ」。イマジナリーなお友だち的ななにか。それを思うと不思議な孤独感が彼を苛み、彼はまた人々と酒を酌み交わすのです。そんな彼の大事なバーが突如歪みによって絡め取られてしまいます。すわ一大事。大切なバーを取り戻し街の平和を取り戻さないと美味しいお酒が飲めません。こうして彼も事件に関わることになるのでした。
Lainさんの無慈悲なシナリオとイサコさんの自らせっせと穴を掘るムーブが美しく交わり、どんどんしんどみを増す中、残りの三人が遠慮なくテオドアを刺しにいきます、後ろから。
PL陣の巧妙な交渉術「まさかわたさんじゃあるまいし」によってGMの譲歩を受け取った我々ですが、滑りまくるダイスといつ不死→昏倒→いつ不死→昏倒の華麗なコンボであっという間に崖っぷちに追い詰められます。そしてとどめの「剥離の伝播」で最後の希望も絶たれたかに思われたそのとき、スーパーPLせんださんが猛然と電卓をたたき始め……国中に歓喜の声が戻ったのでした。
こうしてテオドアは真に大切なものを取り返し、ヘンリーは目的を果たして旅立ちます。両親への執着もクインスへの感謝も失った嵩里はお屋敷を辞して街に出ます。ゆくあてもなくとぼとぼと歩く嵩里の前にはボンの姿が。いつもと少し様子の違うボンは彼にある重大な秘密を打ち明けます。そう、ボンもまた、決して独りではなかったのです。こうしてボンに促されバーに向かった嵩里にも、新たな未来が開かれていたのでした。めでたしめでたし。